そんなこんなブログ
 
小田倉欽永のそんなことこんなことブログ。
 



2005年12月19日を表示

漫画を描く理由

人は逞しいと、いつも感じます。

家庭環境であれ、職場であれ、学校であれ、
様々な問題をみんな抱えているもんです。

時には深刻な問題をいくつも抱えていたり、
それでも笑顔は忘れずに頑張っている人を見ると
私も負けてられないな、と思います。

意外とこの年になっても、みんな何かしら過去のトラウマを
引きずってきているものです。
むしろ、トラウマを引きずってなかったり、大した問題に遭遇せずに
ここまで生きてきた人たちは、私から見ればなんだか
ふぬけていて、話してもちっとも面白くありません。

ちっともというのは違うかな。
普通に笑いあったりしますが、心に何か残るとか、
何もないときにふと会いたくなるとか、そういう感情は起きません。

トラウマの話をしたいとか、そういうことではなく、
そういう問題を抱えて、乗り越えてきた人だからこそ、
私からは見ることの出来なかった世界を知っていて、
魅力的に感じるのです。もっと知りたいとか、もっと話を
してみたいとか。そういう感じです。

大抵はそんな人たちともたわいのない話をします。
その会話の節々でそういった深い方向にいってみたりとか
するのが楽しいのです。


でも、これだけその人の考えや、心の中の声を聞いていながら
私自身はあまり私の話をしたがっていません。

まだそれは、逃げているんだと思います。
せっかく相手が心を開いてくれたのに、その機会を無駄に
してしまうことだってしばしばあります。
知らず知らずに傷つくのが怖くて、本当の自分を知られるのが
怖くて、一般論で話してみたり、本当に言いたいことを言えなかったり。

何しろ、人に嫌われるのが一番怖いです。

きっとこう言ったら悪く思われてしまう。とか瞬時に色々考えて
口をつぐんでしまうこともよくあります。
でもそれって、本当は失礼なんじゃないかということも知っています。
本当はそんな風に感じていたのに、なんで肯定的に笑顔で
同意してたんだ。とか、きっと私の心のうちを知れば思うはずです。

罪悪感を感じるならいっそ、ぶつかってみればいい。
といつも思います。後悔するのが一番だめなことです。

でもやっぱりうまくいかない…このままでは私はパンクしてしまいます。


ここで、思ったのが、「だから私には漫画があるんじゃないのかな」
ということです。

口ではなかなか本音を言えない…それでは思いは
行き場をなくして私の中にどんどんたまっていきます。
それを発散させるために私は漫画を描いているのでは
ないかと思います。

小さいときから私は両親にとっては手のかからない子ども
だったようです。妹が生まれてから、がまんする、ということを
覚えた私は、親に迷惑がかかることを恐れていました。
その頃から絵本を描きはじめ、ストーリーを作ることで、
内にあるストレスを発散させていたのです。

それは成長していけばなおのことで、我が家は貧乏なので
お金に関することは特に、親には期待しませんでした。

それって、親として悲しいんじゃない?と思われる方も
いると思いますが、うちの感覚では違うのです。
お金をくれるということのほうが、心配になってしまうのです。

そんな後ろめたい気持ちでもらったお金で何ができるでしょう?
やはり、お金は天下の回りものです。使ってこそ意味があります。
だから、バイトを思う存分にできる今はとっても幸せなのです。


話がバイトにそれましたが、そんな感じで私は小さいときから
言いたいことも親に言えないこどもだったので、
無論、周りの人にだって本音は言えずに過ごしてきました。
それは今では逃げです。そろそろその部分のトラウマを
解決してもいい頃です。

そのストレスを発散するために漫画を描いているけど、
漫画で発散できるから本音がリアルでは言えない。

これもまた真実です。

その点が今後の私の大きな課題だと思っています。
現実でも漫画でも、伝えたいことを伝える。
それがちゃんと伝わるように努力する、またその反応や
その人の伝えたいこともしっかり受け止める。


これができる人になっていきたいものです。



12月19日(月)20:49 | トラックバック(0) | コメント(0) | そんなこんな記録 | 管理


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